【マンション査定士】の学習をする

【マンション査定士】の学習内容

マンションの外観
効率よく学習するコツ

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マンションの寿命とは

マンションの寿命は65年~100年

鉄筋コンクリート造の法定耐用年数は47年とされていますが、これは、あくまでも税務上の資産価値となります。

国土交通省の資料では、鉄筋コンクリート造系住宅の平均寿命は68年というデータがあります。

給排水管の寿命は、一般的に30年~40年程度と言われています。

※出典:国土交通省-RC造(コンクリート)の寿命に係る既往の研究例 P-9(pdf)

ただし、マンションの構造体や設備は、適切な修繕工事を実施することで寿命を延命することができます。

日本建築学会の資料では、設計基準強度24N/mm2のコンクリート(標準)では、計画供用期間65年とされていますが、適切な修繕工事を実施することで、供用限界期間100年とされています。

※参考:日本建築学会-JASS5鉄筋コンクリート工事 P-3(pdf)

マンションの寿命を考えるときには、構造体と給排水設備の修繕履歴が重要な要素となります。
ただし、修繕工事を実施するためには、管理組合に資金力がなければなりません。

そのため、マンションの寿命とは、構造体と給排水設備の修繕履歴だけでなく、既に積立てられている修繕積立金の総額の多寡など管理組合の資金力も考慮して持続可能性を考える必要があります。

マンション査定士の学習では、寿命100年以上の持続可能性が高い物件と、短命に終わる持続可能性が低い物件の違いを合理的に説明するために、修繕積立金査定、構造体の物理的劣化年齢査定、給排水管の機能的劣化年齢査定査定について学びます。




単位1:マンションの寿命と持続可能性

マンションの寿命

<学習内容>

中古マンションの寿命とは?

中古マンションの購入を検討する場合、多くの消費者は、その物件の「寿命」が気になるものです。

専有部分は、新築同様にリノベーションされていても、共用部分は、古い状態のままの中古マンションも珍しくありません。

消費者から「この物件は、あと何年くらい住めるものなのか・・・」など、中古マンションの寿命に関して、質問を受けた際に、消費者が納得できる合理的な回答が出来る不動産営業マンは少ないと言えます。

中古マンションの寿命=持続可能性

中古マンションの寿命とは、中古マンションの「持続可能性」とも表現できます。

国語辞書では、持続可能性を「環境・社会・経済などが将来にわたって適切に維持・保全され、発展できること」と解説されています。

中古マンションの「寿命」や「持続可能性」とは、物件の「資産価値」そのものでもあります。

マンション査定士の学習では、中古マンションの持続可能性を査定するために必要な知識として、「修繕積立金査定」、「物理的劣化年齢査定」、「機能的劣化年齢査定」の基本的な考え方についてを学びます。




単位2:AI時代に生き残れる営業マンの能力



<学習内容>

AI時代になると営業マンの仕事は無くなる

中古マンションの寿命や、持続可能性についての考え方は、今後、高経年マンションが増加するとともに、不動産売買をするうえで必要となります。

一般に、不動産会社が居住用の中古マンションの売却価格を査定する時には、取引事例比較法を用いて査定します。

近年では、誰でも簡単にインターネットで中古マンションの価格相場の情報を得る事が出来ます。

消費者は、インターネットで相場を調べて、「このマンションは、近隣の物件に比べて割安だ」や、逆に「割高だ」など、自身で判断できる時代になりました。

旧態依然の営業スタイルは通用しない

このような時代に、中古マンションの売買に関わる不動産営業マンが、旧態依然の営業スタイルで、物件の周辺相場の資料だけを携えて、消費者と同じ目線で商談するのでは、不動産営業マンの存在価値は低下して、将来は、AIなどのシステムに取って代わられることは容易に予測できます。




単位3:マンション査定士の用語の定義

<学習内容>

マンション査定士の用語の定義と概念

マンション査定士の学習で使用される言葉の「定義」や「概念」を理解する事により、今後、効率的に学習を進める事が出来ます。

また、学習で出てくる用語は、同じ言葉であっても建築基準法などの定義や解釈とは異なる場合があります。

一般社団法人不動産取引健全化協会が定める用語の注意点

「マンション査定士」、「中古マンション寿命査定」、「マンションアセスメント」、「物理的劣化年齢査定」、「機能的劣化年齢査定」、「修繕積立金査定」とは、一般社団法人不動産取引健全化協会が定めた用語であり、建築基準法などで法的に定められている用語ではありません。




単位4:中古マンション寿命査定の考え方



<学習内容>

中古マンション寿命査定の考え方

マンション査定士の中古マンション寿命査定についての考え方は、修繕積立金査定、物理的劣化年齢査定、機能的劣化年齢査定の3種類から成り立ちます。

中古マンションの構造体や給排水管は、過去に適切な修繕工事を実施してきた物件と、修繕工事を怠ってきた物件とでは、持続可能性が大きく異なります。




単位5:修繕積立金査定とマンションの資産価値



<学習内容>

修繕積立金査定の考え方による中古マンションの資産価値とは

マンション査定士の修繕積立金査定では、24時間フロントにコンシェルジュがいたり、共用部分にジムやプールがある物件であっても、一概に 資産価値 が高い中古マンションであるとは判断しません。

一般に、中古マンションに限らず不動産の資産価値を計る上で最も重要なものは、「利便性」と言われています。

「利便性が良い」とは、立地であり、「立地が良い」とは、「都市に近い事」であり、更に「最寄り駅から近い」という事を言います。

修繕積立金の多寡と修繕実績で資産価値を判断

非常に利便性が良い立地の不動産であれば、その上にある建物の持続可能性が多少低くても、立地の良さで資産価値が補われる事もあります。

逆に、利便性が良い物件であっても、建物の修繕実績や修繕積立金の状況から考察して持続可能性が低い物件では、総合的に見て資産価値が低い中古マンションであると判断される事もあります。




単位6:修繕積立金の多寡



<学習内容>

既に積立てられている修繕積立金の総額の多寡

マンション全体で既に積立てられている修繕積立金の総額の多寡は、中古マンションの資金的な持続可能性を査定する上で最も重要な要素のひとつです。

しかし、管理会社や管理組合から、「マンション全体で既に積立てられている修繕積立金の総額」について具体的な金額を確認したとしても、修繕積立金の総額の多寡を判断する基準を知らなければ、その金額の多寡を判断することはできません。

マンション査定士の修繕積立金査定では、「国交省の修繕積立金に関するガイドラインを基に算出した数値」と「既に積立てられている修繕積立金の総額」を比較して修繕積立金総額の多寡を判断します。




単位7:マンション構造体の耐用年数と寿命について



<学習内容>

中古マンションの構造体の耐用年数と寿命についての考え方

中古マンションの構造体であるコンクリートの寿命や耐用年数については、解説する立場や考え方によって大きく異なります。

国交省の「中古住宅流通促進・活用に関する研究会」(平成25年9月26日)の報告書の中では、「RC造(コンクリート)の寿命にかかる既住の研究例」として以下のように様々な研究例が紹介されています。

1951年:根拠論文名等:「固定資産の耐用年数の算定方式」(大蔵省主税局)では、鉄骨鉄筋コンクリート造及び鉄筋コンクリート造の構造体の耐用年数は、鉄筋を被覆するコンクリートの中性化速度から算定し中性化が終わった時をもって効用持続年数が尽きるものと考える。

鉄筋コンクリート部材の効用持続年数として、一般建物(住宅も含まれる)の耐用年数は120年、外装仕上げにより延命し耐用年数は150年。

2013年:根拠論文名等:「建物の平均寿命 実態調査」では、固定資産台帳の滅失データを基に、区間残存率推計法を用いて、家屋の平均寿命(残存率が50%となる期間)を推計した結果(2011年調査)、 RC系住宅は68年、RC系事務所は56年。

このように鉄筋コンクリート造の建物の寿命は考え方や調査方法の違いによっても異なります。




単位8:鉄筋コンクリートの寿命



<学習内容>

鉄筋コンクリートの寿命と構造体の持続可能性

中古マンションは、高経年化が進むほど構造体に使われている鉄筋コンクリートの劣化も進展します。

鉄筋コンクリートの劣化による寿命とは、大気中の炭酸ガスがコンクリート内部に徐々に浸透してコンクリートが鉄筋の深さまで中性化し、内部の鉄筋の錆の進展を抑止できなくなる状態の事を言います。

中性化が進行してコンクリート内部の鉄筋が錆により腐食し、鉄筋が膨張して、周囲のコンクリートにもダメージを与えはじめると、コンクリート本来の強度が失われてしまいます。

マンション査定士の物理的劣化年齢査定では、大規模修繕工事を実施しても、このような不具合を是正できなくなった段階で、鉄筋コンクリートの寿命を終えたと判断します。




単位9:物理的劣化年齢査定のアルゴリズム



<学習内容>

物理的劣化年齢査定のアルゴリズム

マンション査定士の物理的劣化年齢査定では、大規模修繕工事の実施履歴と構造体の劣化に関わる不具合の有無の確認をします。

過去17年以内に大規模修繕工事の実施履歴を確認できて、構造体の劣化に関わる不具合が存在していなければ、物理的劣化年齢査定では、構造体の持続可能性が高いと判断します。

過去17年以内に大規模修繕工事の実施履歴を確認できたとしても、構造体の劣化に関わる不具合が存在するようでは、持続可能性が低いと判断します。

逆に、過去17年以内に大規模修繕工事の実施履歴を確認できない場合であっても、構造体の劣化に関わる不具合が存在していなければ、持続可能性は保持されていると判断します。

このように、構造体の持続可能性を査定するには、大規模修繕工事の実施履歴と構造体の劣化に関わる不具合の有無の組み合わせのアルゴリズムを考察する必要があります。




単位10:給排水管の機能的劣化年齢査定



<学習内容>

給排水管の機能的劣化年齢査定

マンション査定士の機能的劣化年齢査定では、中古マンションの給排水管を4つの部位に分けて、それぞれの持続可能性を査定します。

  1. 共用部分の給水管
  2. 共用部分の排水管
  3. 専有部分の給水管
  4. 専有部分の排水管

本単位での学習では、便宜上、「給水管」と「排水管」を、まとめて「給排水管」、または、「配管」と表現します。

給排水管の持続可能性が高い物件と、持続可能性が低い物件とを見分ける指標のひとつとして、機能的劣化年齢査定の考え方を利用することが出来ます。




単位11:給排水管の材質と寿命



<学習内容>

給排水管の材質と耐用年数の基本的な知識

マンション査定士の機能的劣化年齢査定では、配管の材質や種類に関わらず、機能的劣化年齢が40歳を超えた時点で、更新工事をする必要があると想定して査定を行ないます。

ただし、消費者に中古マンションの給排水管の持続可能性を説明するためには給排水管についての基本的な知識が必要になります。

ここでは、給排水管の種類と耐用年数の目安について解説します。




単位12:機能的劣化年齢査定のアルゴリズム

<学習内容>

機能的劣化年齢査定のアルゴリズムの考え方

機能的劣化年齢査定では、給排水管の修繕工事の実施履歴と配管の不具合の有無のアルゴリズムで持続可能性を査定します。

マンション査定士の機能的劣化年齢査定では、機能的劣化年齢が40歳に到達した時点で、配管の機能的な寿命を終えたと判断します。

給排水管の修繕工事の実施履歴と配管の不具合の有無のアルゴリズムで査定した結果、機能的劣化年齢が40歳未満であれば、持続可能性があると判断できます。
もし、給排水管の修繕工事の実施履歴を確認できて、かつ、配管に不具合が存在していなくても、機能的劣化年齢が40歳以上の場合は、持続可能性が低いと判断します。

また、給排水管の修繕履歴を確認できたとしても、配管に不具合が発生している場合では、機能的劣化年齢にかかわらず、持続可能性が低いと判断します。

このように、給排水管の持続可能性を査定するには、「修繕工事の実施履歴」と「配管の劣化に関わる不具合の有無」の組み合わせのアルゴリズムで判断する必要があります。




単位13:マンション査定士による書類調査

<学習内容>

マンション査定士による書類調査

マンション査定士が、修繕積立金査定、物理的劣化年齢査定、機能的劣化年齢査定を行なうためには、エビデンスとなる書類で物件の情報を確認する必要があります。




単位14:マンション査定士の現地確認



<学習内容>

マンション査定士による現地確認の目的

現地確認は、「物理的劣化年齢査定」や「機能的劣化年齢査定」を行なうにあたり、書類だけでは確認する事が出来ない、構造体や給排水管に存在する不具合の有無を確認するために行ないます。

ただし、マンション査定士の現地確認では、以下の6箇所を主に目視や触診などで確認する程度にとどめます。

もし、各劣化年齢査定に影響する不具合を発見した場合であっても、マンション査定士は、建築の専門家ではありませんので、発見した不具合の深刻度合いや詳細を診断する事は出来ません。

中古マンションの構造体や給排水管などに不具合を発見して、その深刻度合いなどを更に詳しく調べる必要がある場合は、一級建築士やホームインスペクターなどの建築の専門家に調査や診断を依頼する必要があります。