【単位11】給排水管の材質と寿命

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【学習】給排水管の材質と寿命

給水管の種類と耐用年数の目安

給排水管の材質と耐用年数の基本的な知識

マンション査定士の機能的劣化年齢査定では、配管の材質や種類に関わらず、機能的劣化年齢が40歳を超えた時点で、更新工事をする必要があると想定して査定を行ないます。

ただし、消費者に中古マンションの給排水管の持続可能性を説明するためには給排水管についての基本的な知識が必要になります。

ここでは、給排水管の種類と耐用年数の目安について解説します。

1.亜鉛メッキ鋼管
 耐用年数の目安:15年~20年

昭和世代に建築された中古マンションで採用されている可能性が高い配管です。

塩素などで亜鉛が剥がれたり溶け出すことにより、給水管の鉄部の錆びや腐食の原因となるため、耐用年数は、一般に15年~20年と言われています。
1997年のJIS改正により、現在では、水道用の亜鉛メッキ鋼管は新たに使用できなくなりました。

2.硬質塩化ビニルライニング鋼管
 耐用年数の目安:15年~25年

亜鉛メッキ鋼管に代わり使用されているのが、硬質塩化ビニルライニング鋼管です。

防食継手が採用される以前の昭和世代の硬質塩化ビニルライニング鋼管の耐用年数は、一般に15年程度とされています。

防食継手が採用された平成元年以降の硬質塩化ビニルライニング鋼管の耐用年数は、一般に25年程度とされています。

3.樹脂管、ポリエチレン管
 耐用年数の目安:30年以上

平成元年以降から登場した比較的新しい素材の給水管です。

耐用年数は、一般に30年以上とされており、長寿命かつ施工性とメンテナンス性が良い事から近年のマンションでは多く採用されています。

4.ステンレス管
 耐用年数の目安:100年

ステンレス管は、高価ですが最も耐用年数が長い給水管です。
使用条件にもよりますが耐用年数は、一般に100年や半永久的と言われています。

ステンレス管は、近年のマンションで採用され始めた、まだ新しい材質の給水管です。

ただし、ステンレス管自体は耐久性に優れていますが、完全にメンテナンスフリーというわけではありません。
配管に接続する継手にはパッキンが使用されており、このパッキンの補修は30年程度で必要になると言われています。


排水管の種類と耐用年数の目安

1.排水用鋳鉄管
 耐用年数の目安:40年

最も歴史の古い排水管のひとつです。

耐食性に優れていますが、鉄管のため錆は発生するものの、他の鋼管より腐食の進行が遅いとされています。
配管の期待耐用年数は60年とされています。

2.排水用硬質塩化ビニルライニング鋼管
 耐用年数の目安:30年

昭和60年代~現在まで使用されている排水管です。
鋼管の内面に塩化ビニル管を接着ライニングした配管です。

3.硬質塩化ビニル管、耐火二層管
 耐用年数の目安:25年

昭和50年代~現在まで使用されている排水管です。
硬質塩化ビニル管を繊維モルタルで覆った配管です。

4.排水用タールエポキシ塗装鋼管
 耐用年数の目安:30年

昭和60年代~現在まで使用されている排水管です。


材質の違いと機能的劣化年齢査定

配管の材質の違いによる機能的劣化年齢査定の結果への補足

機能的劣化年齢査定では、機能的劣化年齢が40歳を超えた時点で新しい配管に更新工事する時期であると想定して計算をします。

ただし、近年に建築された一部のマンションでは、「ステンレス管」など、耐用年数100年、または、半永久的と言われている長寿命な配管を使用している事があります。

防食継手が採用される前の昭和60年代までの中古マンションでは、15年程度と耐用年数が短い硬質塩化ビニルライニング鋼管が使用されている事があります。

昭和40年代に建築された中古マンションでは「亜鉛メッキ鋼管」など、15年~20年程度の更に耐用年数が短い配管が使用されている事があります。

使用されている給排水管の材質については、本来であれば、設計図書や施工記録を取り寄せて確認するべきですが、高経年化が進むほど、そのような書類を取り寄せる事が難しい場合が多いと言えます。

そのような場合は、パイプスペースで見える範囲の給排水管で、ある程度の材質を判断する必要があります。

パイプスペース内の給排水管
機能的劣化年齢査定では、配管の材質が、「ステンレス管」や「亜鉛メッキ鋼管」であっても、「硬質塩化ビニルライニング鋼管」などと同様に機能的劣化年齢40歳を耐用年数として配管の持続可能性を査定します。

ただし、長寿命なステンレス管が使用されている物件であれば、その旨を機能的劣化年齢査定の結果に補足します。

逆に、昭和60年代以前に建築された中古マンションで、給排水管の更新工事の実施履歴を確認出来ない物件であれば、給水管では、一般に15年程度の材質の配管が使用されている可能性がある旨を査定結果に補足する必要があります。

このように、給排水管の材質による耐用年数の違いを査定結果に補足することで、機能的劣化年齢査定の考え方を配管の持続可能性を判断するための指標のひとつとすることが出来ます。