【単位12】機能的劣化年齢査定のアルゴリズム

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【学習】機能的劣化年齢査定のアルゴリズム

機能的劣化年齢

機能的劣化年齢査定のアルゴリズムの考え方

機能的劣化年齢査定では、給排水管の修繕工事の実施履歴と配管の不具合の有無のアルゴリズムで持続可能性を査定します。

マンション査定士の機能的劣化年齢査定では、機能的劣化年齢が40歳に到達した時点で、配管の機能的な寿命を終えたと判断します。

給排水管の修繕工事の実施履歴と配管の不具合の有無のアルゴリズムで査定した結果、機能的劣化年齢が40歳未満であれば、持続可能性があると判断できます。

もし、給排水管の修繕工事の実施履歴を確認できて、かつ、配管に不具合が存在していなくても、機能的劣化年齢が40歳以上の場合は、持続可能性が低いと判断します。

また、給排水管の修繕履歴を確認できたとしても、配管に不具合が発生している場合では、機能的劣化年齢にかかわらず、持続可能性が低いと判断します。

このように、給排水管の持続可能性を査定するには、「修繕工事の実施履歴」と「配管の劣化に関わる不具合の有無」の組み合わせのアルゴリズムで判断する必要があります。


計算方法

機能的劣化年齢査定の計算方法

基本的に、機能的劣化年齢は、物件の実築年数、または、更新工事後の経過年数と同じ数値となります。

ただし、ライニング更生工事の実施履歴がある場合は、「実築年数」または「更新工事後の経過年数」から、ライニング更生工事実施履歴1回につき10年を引いた数値を機能的劣化年齢とします。

もし、過去に2回ライニング更生工事(再ライニング)の実施履歴を確認できる場合では、20年を引いた数値を機能的劣化年齢とします。

マンション査定士の機能的劣化年齢査定では、ライニング更生工事の実施可能回数は2回までとしています。

築60年の中古マンションで、ライニング更生工事を2回実施した場合の機能的劣化年齢は40歳となります。

機能的劣化年齢査定の概念では、新築後、または、更新工事後の経過年数が60年を超えた時点で、ライニング更生工事の実施履歴を2回確認できた場合であっても、機能的劣化年齢査定で設定している配管の更新工事が必要となる耐用年数の限度40歳を超えてしまう事になりますので、この時点で配管の寿命を終えたと判断します。


例1

ライニング更生工事
過去に1回ライニング更生工事の実施履歴を確認できる築45年の中古マンションの場合

計算式:築45年-10年 = 機能的劣化年齢:35歳

給排水管の機能的劣化年齢査定の考え方では、機能的劣化年齢40歳を目安に配管を新しいものへ交換する時期としています。

従って、この場合は、あと5年以内に配管の更新工事、または、2回目のライニング更生工事を実施する時期であると判断することが出来ます。


例2

再ライニング更生工事
過去に2回ライニング更生工事(再ライニング)の実施履歴を確認できる築50年の中古マンションの場合

計算式:築50年-20年 = 機能的劣化年齢:30歳

給排水管の機能的劣化年齢査定の考え方では、機能的劣化年齢 40歳を目安に配管を新しいものへ交換する時期としています。

この場合は、既に2回ライニング更生工事を行なっていますので、この物件では、あと10年以内に配管の更新工事を実施する必要があると判断できます。

以上のように実築年数、または、更新工事後の経過年数から、ライニング更生工事1回実施につき10年を引いた数値が機能的劣化年齢となります。


計算結果を振り分ける

6段階にランク分け

マンション査定士の機能的劣化年齢査定では、給排水管の持続可能性を判断するための指標の一つとして利用できるように、査定結果を6段階にランクを分類します。


機能的劣化年齢査定:Sランク

Sランク 計算方法

機能的劣化年齢が15歳以内で、かつ、配管に不具合が存在していない場合は、機能的劣化年齢査定ではSランクとなります。

機能的劣化年齢査定では、機能的劣化年齢 40歳を目安に配管を新しいものへ交換する時期としていることから、機能的劣化年齢15歳以内のSランクは、まだ、配管の持続可能性が非常に高い状態であると判断できます。


機能的劣化年齢査定:Aランク

Aランク 計算方法

機能的劣化年齢が16歳以上~29歳以下で、かつ、配管に不具合が存在していない場合は、マンション査定士の機能的劣化年齢査定ではAランクとなります。

機能的劣化年齢査定では、機能的劣化年齢 40歳を目安に配管を新しいものへ交換する時期としていることから、機能的劣化年齢16歳以上~29歳以内のAランクは、まだ、配管の持続可能性が高い状態であると判断できます。

この時点でライニング更生工事を実施する事により、機能的劣化年齢は、実築年数、または、更新工事後の経過年数から10年を引いた数値の6歳以上~19歳以内となりますので、ライニング更生工事を実施するタイミングによっては、機能的劣化年齢査定が「Sランク」に若返りを図る事が出来ます。


機能的劣化年齢査定:Bランク

Bランク 計算方法

機能的劣化年齢が30歳以上~39歳以下で、かつ、配管に不具合が存在していない場合は、マンション査定士の機能的劣化年齢査定ではBランクとなります。

機能的劣化年齢査定では、機能的劣化年齢 40歳を目安に配管を新しいものへ交換する時期としていることから、機能的劣化年齢30歳以上~39歳以内のBランクは、近い将来、ライニング更生工事、または、更新工事などの修繕工事を行なう必要がある時期と判断できます。

この時点でライニング更生工事を実施する事により、機能的劣化年齢は、実築年数、または、更新工事後の経過年数から10年を引いた数値の20歳以上~29歳以内となりますので機能的劣化年齢査定では「Aランク」に若返りを図る事が出来ます。


機能的劣化年齢査定:Cランク

Cランク 計算方法

機能的劣化年齢が40歳以上~49歳以下で、かつ、配管に不具合が存在していない場合は、マンション査定士の機能的劣化年齢査定ではCランクとなります。

機能的劣化年齢査定では、機能的劣化年齢 40歳を目安に配管を新しいものへ交換する時期としていることから、機能的劣化年齢40歳以上~49歳以内のCランクは、現時点で既に ライニング更生工事、または、更新工事などの修繕工事を行なう必要がある時期と判断できます。

この時点でライニング更生工事を実施する事により、機能的劣化年齢は、実築年数、または、更新工事後の経過年数から10年を引いた数値の30歳以上~39歳以内となりますので機能的劣化年齢査定では「Bランク」に若返りを図る事が出来ます。


機能的劣化年齢査定:Dランク

Dランク 計算方法

機能的劣化年齢が50歳以上~59歳以下で、かつ、配管に不具合が存在していない場合は、マンション査定士の機能的劣化年齢査定ではDランクとなります。

機能的劣化年齢査定では、機能的劣化年齢 40歳を目安に配管を新しいものへ交換する時期としていることから、機能的劣化年齢50歳以上~59歳以内のDランクは、この時点でライニング更生工事を実施したとしても、機能的劣化年齢 40歳を超過してしまうこととなります。

従って、この場合、機能的劣化年齢査定の考え方では、既に配管の機能的な寿命を終えたと判断しますので、ライニング更生工事ではなく、更新工事を行なう必要がある中古マンションとなります。


機能的劣化年齢査定:Eランク

Eランク 計算方法

機能的劣化年齢が60歳以上、または配管に不具合(漏水、詰り、錆水、濁り、異臭など)が存在している場合は、マンション査定士の機能的劣化年齢査定ではEランクとなります。

機能的劣化年齢査定では、機能的劣化年齢40歳を目安に配管を新しいものへ交換する時期としていることから、機能的劣化年齢60歳以上のEランクは、既に耐用年数を大幅に超過しているため、速やかに更新工事を行なう必要があると判断します。

また、機能的劣化年齢が40歳未満であっても、配管に不具合が存在している機能的劣化年齢査定 Eランクの場合は、専門業者と相談して修繕方法を検討する必要があります。


給排水管の内部洗浄

給排水管の内部洗浄と機能的劣化年齢査定

排水管は、毎日、汚れた水が流れているため、少しずつ汚れが配管内部に蓄積していきます。

一般にマンションでは、定期的な排水管の高圧洗浄の実施が必要になります。

定期的な排水管高圧洗浄を実施する事により、「つまり」や「悪臭」などが解消されます。

また、近年では、特殊な工法で給水管も内部を洗浄して「錆」や「汚れ」などを改善する事も出来ます。

配管内高圧洗浄のイメージ

給排水管の内部洗浄は、区分所有者が快適に生活するために必要な維持管理のひとつです。

ただし、給排水管を何度も高圧洗浄し過ぎますと、配管内部が削られ、継手部分や腐食している箇所に穴があく事がありますので、高経年マンションでは注意が必要です。

給排水管の内部洗浄は、蓄積した錆や汚れを落とす事は出来ますが、配管の劣化を抑止する効果については、あまり期待できません。

従って、マンション査定士の機能的劣化年齢査定では、給排水管の配管内洗浄の有無は考慮しません。